野球肩の痛みがなかなか引かない選手は必ず見てください。


肩は腱板という筋肉で安定しています。
この筋肉が弱くなると関節が緩くなり、痛みにつながります。


長期間のノースロー、痛みを抱えながらスローイングを続けることで
腱板の筋力は落ちていきます。



ここを見逃している治療家も多くいます。
筋力が落ちているのにマッサージされ、
さらに関節が緩くなると痛みも治るはずがありません。


今回は、
痛みなく投球するのに必要な腱板筋力
チェックと改善トレーニングを紹介します。




『チェックポイント』は2つです。

①外旋筋力

外旋筋力

うつ伏せに寝た状態で、肘を頭の上につきます。
その状態で最大限、腕を外に開いてください。(最大外旋)

 
投球側のみ下がってしまう、開くのがしんどい場合は
外旋筋力が弱くなっています。




②内旋筋力

内旋筋力


投球側の方が筋力は強いはずです。
これで弱くなっている場合は明らかに内旋筋力が落ちている証拠になります。

自分ではわかりにくい場合はチームメイトに肘を抑えてもらって確かめてください。




このチェックで弱くなっている場合は、
今から紹介する腱板筋力トレーニングが必要です。





☆改善運動(腱板筋力トレーニング)

外旋筋力トレーニング①

外旋トレーニング

セラバンドを使います。
野球選手であればセラバンドは絶対必要です。
ない場合は、輪ゴムをつないだもので代用してください。


肘を机に置いた状態で、上の図のように腕を外に開いていきます。
※この時にセラバンドは小指と薬指で握るようにしてください。


体が動いてしまわないように注意が必要です。

肩の後方の筋肉を鍛えるトレーニングです。
20回を2~5セット。
小学生であれば2セット、中学生2~3セット、高校生・大学生以上は3セット以上が目標です。




外旋筋力トレーニング②

外旋筋力トレーニング②

これは先ほどの外旋筋力トレーニング①よりも投球に近い形になります。

肘を壁に当てた状態で左の図のようにセラバンドを構えます。
※この時も小指と薬指でセラバンドを握ってください。


そこから腕を外に開いていきます(外旋)。


これも肩の後方の筋力トレーニングです。
15回を2~5セット。
小学生であれば2セット、中学生2~3セット、高校生・大学生以上は3セット以上が目標です。




内旋筋力トレーニング

内旋筋力強化

チェックのやり方で上向きに寝た状態になります。
お腹に手を置いた状態で、肘を前に押し出す運動を繰り返します。


うつ伏せにすると地面を押す形になり、さらに負荷をあげれます。



50回2~5セット。
小学生であれば2セット、中学生2~3セット、高校生・大学生以上は3セット以上が目標です。








すべて簡単で負荷が少ない運動だと思いますが、
筋力が落ちている選手には非常にしんどい運動です。


ウエイトトレーニングで筋力をすごくつけている選手も、
この筋力は低下していることがあります。


重要なのは、野球をすることに必要な筋力をつけることです。

ウエイトトレーニングは否定しませんが、腱板筋力が弱いのにトレーニングすることは、
自分からケガするリスクを上げているとしか思えません。


長くプレーを続ける、いいボールを投げるために
今回のチェックポイントと改善運動を活用していただけたらありがたいです。





次回は野球肘を予防する肘の可動域と筋力のチェック、修正方法を紹介します。