学生野球選手に多い腰の痛みの原因に腰椎分離症があります。


結論から言いますと、
高校生以後の腰椎分離症は長く休む必要はありません。


この理由を細かく紹介していきます。






〇腰椎分離症の原因

腰椎の椎間関節部に起こる疲労骨折のような病態です。

原因はバッティングなどの回旋動作にあります。

腰椎分離症の原因


特に腰を反った状態で体をひねる動きは腰椎に大きなストレスをかけます。



プロ野球選手のように体幹の力があれば腰に負担はかかりません。
しかし、体幹の筋力が上手く使えない学生野球選手では腰に負担がかかります。





〇腰椎分離症の疫学

腰椎分離症とは

ポイントはプロ野球選手の3割は分離症があるという点です。


分離症だけではプレーに支障はないといえるかと思います。




〇腰椎分離症の治療

選択肢は2つです。
図1腰椎分離症の治療

骨をつけにいくには最低3か月は硬性コルセットをつけて運動休止が必要です。


しかし、先ほど紹介したようにプロ野球選手でも腰椎分離症だけでは問題になりません。


では治療のポイントは腰椎すべり症に進行しないかどうかです。


〇腰椎分離症治療のポイント
治療のポイント


腰椎すべり症になると神経が圧迫され手術に至るケースもあります。

しかし、年代によって腰椎すべり症へ進行する確率は変わります。

すべり症へのリスク


高校生以後ではすべり症になる可能性はないと言われています。




〇腰椎分離症の治療方針
治療方針


小学生の腰椎分離症はしっかり安静にし、骨癒合を目指すことが必要かと思います。



しかし、中学生以後であれば長期間休む必要はなく、痛みがひくためのリハビリをして早期に復帰することが推奨されるかと思います。



リハビリは股関節のストレッチや体幹のトレーニングです。
その方法はこのブログの過去の投稿を参考にしてもらえたらと思います。




とはいえ、骨が癒合するのであれば安静にして癒合させたいと思う方もおられると思います。
〇腰椎分離症の骨癒合期間と癒合率
癒合率


初期であれば平均3か月で90%以上が癒合します。

進行期になると27~64%に癒合率が落ち、期間も半年くらいかかります。



高校野球の期間は2年と3~4か月ほどしかありません。
半年の安静はその選手にとっては大きな決断になると思います。




重要なのは治療方針は2種類あり、それを患者(選手)が選択することです。


どちらが正解とかはありませんし、症状によって選択肢は変わります。
病院と相談して治療方針を決めてもらえたらと思います。



〈参考文献〉
1:酒巻忠範 西良浩一:子供の外来スポーツ:2015
2:西良浩一:腰椎分離症ーSpine Surgeonが知っておくべきState of the art-:脊椎外科 VOL.25 NO.2 2011年9月 
3:Koichi Sairyo:Development of spondylolytic olisthesis in adolescents:The Spine Journal 1 (2001) 171–175